ミハイル・プレトニョフ ピアノリサイタル
プレトニョフの演奏会に行って来ました。あの熟練の。巨匠の。世界のプレトニョフ。
オペラシティの2階右寄り正面というベストな席を取ったのですが、結果的に大正解でした。
前半はベートーヴェン。非常に高貴でクリアな音のロンドで幕開けです。2曲目の熱情の冒頭のピアニッシモは本当にプレトニョフ的な深くて静かな美しさでした。会場のオーディエンス全員がピアノのを音を聴き取ろうと一気に舞台上に集中したのがわかるほど。今回1番印象に残ったのがこの音色で、これだけで聴きに行って良かったと思える物でした。あたし一生忘れない。その後のフォルテへの持って行き方も素晴らしく、「熱情」という目に見えぬ物を音で感じることができました。
後半はリスト。最初の「詩的で宗教的な調べ葬送曲」から最後の「葬送行進曲」まで立ち上がることもなく、そして観客も拍手をすることなく、一気に弾き切っていました。まるで1つの物語を高い集中力でもって聞かされたような、経験させられたような気分で、終演後は感動のため息が出ました。
全体を通して無駄な音がない。聴き取れてない声部がない。指揮者でもある人なのでこうも弾けるんでしょうかね。そういえばハンブルクスタインウェイじゃないのも気にならなかったな。
個人的に、今まで聴いたあらゆるピアノ演奏会の中で1番でした。(この前までは大学の時にサントリーで聴いた内田光子が1番。)
今後プレトニョフも年を取ってもっと熟成された音楽を作っていくのでしょう。毎年聴きたい。何度も日本に来なさいみはいる。
2019年6月17日(月) 19:00
東京オペラシティ コンサートホール



