【コンサート記録】沖縄ピアノコンクール入賞者コンサート ゲスト出演しました
去年に引き続き、11月4日に沖縄市で行われた第45回沖縄ピアノコンクール入賞者コンサートにゲストとして出演しました。
有難いことに今回は30分の枠をいただいたので、全て現代曲、且つお化けや妖怪などの怖い物をテーマにしたレアな曲で埋め尽くしてみました。
Program
P.H. Nordgren: Ballads on ‘Kwaidan’ by Lafcadio Hearn “Mimi-nashi-Hoichi” Op.17
W. Bolcom: Graceful Ghost Rag
W. Bolcom: The Poltergeist
N. Kapustin: There is something behind that, Op.109
L. Liebermann: Gargoyles, Op.28


1曲目はペール・ヘンリク・ノルドグレン作曲、小泉八雲の「怪談」によるバラードより「耳なし芳一」。
怪談「耳なし芳一」(作:ラフカディオハーンa.k.a.小泉八雲)を題材に、フィンランド人のノルドグレンが作曲した物で、
ドカーン!ズゴゴゴゴゴ!シャーン!
なジョジョの奇妙な冒険のような音が飛び交う、まっすぐにど真ん中な現代音楽です。
耳なし芳一の物語を忠実に表現しており、後半にはピシャっと2回、両耳が切られるような表現の音もあります。テクニック的にはそこまで難しい曲ではないのですが、無調に近い曲なので譜読みと暗譜が何気に大変でした。
耳なし芳一以外にも小泉八雲の怪談を元にした曲シリーズが「怪談バラード」としていくつもあるので、近いうちまた別の曲を弾いてみようと思っています。
録音した物をYoutubeにアップしています↓
続きましてアメリカの作曲家(まだ存命で現役の音楽家)、ウィリアム・ボルコムの「3つのゴーストラグ」シリーズから2曲。「優雅なお化けのラグ」と「ポルターガイスト」というお化けを題材にしたラグタイム風の美しくコミカルな曲です。
こちらもテクニック的にはそう難しくはないのですが、右手がオクターブの中に内声の音がいくつも入るという、ラグタイムならではの常に手を開いたまま重音を弾き続ける音型に苦労しました。手ぇ小ちゃいんで。
ポルターガイストの後半では「トーンクラスター」という、腕全体を使って鍵盤を押さえるという現代音楽ならではの奏法で弾いています。決してフザけているわけではございません。この曲を聴く機会があればそこに注目してみるのも楽しいかもしれません。
以下、当日の私の演奏↓
4曲目はニコライ・カプースチン。言わずと知れたジャズもクラシックも弾くロシアの作曲家で、ジャズのテンションコードやモード、リズムを使った個性的で華やかな曲を多く書いています。なので彼の作品はプロからアマまで好んで演奏する人も数多くいますが、この曲「There is something behind that(その背後には何かがある)」はあまり人気がないのか、ネットで演奏動画もほぼありませんでした。
今の時点でYoutubeには私ともう1人(Thomas AngさんというKapustinをよく弾いている方のようです。親近感。)の動画しかありません。CDも見渡す限りは出ていないようです。Kaputstin特有の洒落た響きは少なめだけどジャズの即興的な要素が多め、テクニック的に少々難しい割には聴き映えがそれほど…というのが理由なのかもしれません。そこがこの曲の面白いところで、だからこそ挑戦しがいもあるんですがね。
似たようなメロディや音型が少しずつ形を変えて何度も出て来るので、暗譜に少し苦労しました。本番はなんとか弾き切りましたが、今後もっと音楽的に磨いてより良い演奏をしたいと思っています。
Youtubeリンクです↓
最後は今回ひそかにメインにしていた曲、ガーゴイル。まだ60代のバリバリ現役のアメリカ人作曲家、ロウェル・リーバーマンの曲で、キャラクターの違う4つの曲で構成されています。
ガーゴイルというと私の中では不思議の海のナディアの怖そうな何かというイメージでしたが、本来の意味はヨーロッパの古い建築物の屋根のフチに付けられている怪物の彫刻の事だそうです。雨どいの役目を持っており、見た目が恐ろしいことから魔除けにもなると信じられていたそうです。
ちなみに昔撮ったパリのオペラ座の写真をチェックしてみたらガーゴイル様だらけ↓ すごい口呼吸。ぐえーって言ってるのかね。

このガーゴイルという曲も彼ら(怪物)を題材にしたもので、不気味な静けさや大音量で迫り来るような怖さに加え、雨どいを水が流れていくような美しいテイストも感じることができます。
前述の4曲に比べ、譜読みも暗譜もそこまで難しい物ではなかったです。ちゃんとピアノを弾ける人が書いた指なじみのいい音型の曲。
ですが、ピアニッシモからピアノ全体を唸らせるほどのフォルテッシモまでの音量の幅や、歯切れの良い硬質な音色など表現面のテクニックが求められるため、体の使い方をかなり考えました。
4楽章(?)の冒頭はは両手共に低音、すなわち重心を左に置き重音でピアニッシモから始まります。コーダの盛り上がる部分ではこの重心左寄りの体勢に加え、両手をかなり開いて弾く奏法も出てきます。チビで手も小さい私にはこういうのが地味にハードでした。
当日はなんとか事故もなく弾き切った感があります。アガる曲なのでこれもまた弾きたいです。
Youtubeシェアしておきます↓
その他にも色々な曲の演奏をYoutubeにアップしているのでチェック&チャンネル登録よろしくお願いしまぁす。
そんなわけでコンサートが無事に終わりホッとしています。良い年を越せそうです。聴きに来ていただいたお客様、運営の方、裏方の方、全ての方に感謝です。

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